Column
Vol2: ダウンスイングっていうじゃなぁ〜い。
今回は「ダウンスイング」について少し書きたいと思います。

小学生の頃に良く聞いた理論として「いいか、バッティングは最短距離で上から叩くんだ!」という指導。
これってどういうことなんでしょうね?

去年の話ですが、バッティングセンターに行ったところ、初心者マークを体中に貼っているような20歳前後のバッターと、
それを指導する少しお年を召した指導者が先にやっていました。
このバッター、お世辞にも野球経験があるとは思えませんでした。
見たまま真似ているのか、バットを横に振る俗に言う「手打ち」状態で、手を動かしてバット横に移動させる傾向が強かったのです。
これではボールが当たってもバットが弾かれてボールが飛んでいきません。いわゆる「体重が乗っていない。」といった状態です。
これを見た指導者が一言。

指導者:「いいか、居合切りというのがあるだろう。」
バッター:「はい。」
まお:(???)
指導者:「上から下に ”えいっ!” っと気合を入れて切るだろう。」
指導者:「そんな感じで上から下に勢い良く振るんだ。」
バッター:「はい。」
まお:(・・・)

ダウンスイングを説明しているのだと思いますが、おいおいそれじゃぁまずいだろうと思いつつも少し様子を見ていました。
2人に上下関係があるように見えましたし、修正すべきは確かに横に振る手打ちというのは恐らく指導者も同じだったでしょうから。
しかし結果は予想通り!
バットが上から下へと直線的な縦方向に振り下ろされ、ボールは直線的に横方向に。。。結果バットにボールが当たりません。
当然ですよね。これだと1点しか当たるところが無いんですから。

これって「ダウンスイング」?確かに最短距離を鋭くバットが移動しています。

私はこう考えています。
腕の振りは確かに上から下です。これは間違っていないと思います。
ただ今回の場合、振り下ろす行為があまりに強すぎて手打ちが直らなかったようですね。
昔から神話のように最短距離を振り下ろすかのような理論は1つ間違えると手打ちになります。
下への腕の振り下ろしに合わせて腰が回転する過程でバットが体から離れていく行為。
その行為で生まれるバットの軌道は決して直線ではなく曲線です。
今回の場合、「えいっ!っと上から鋭く最短距離でバットを振る」という意識が強すぎたんですね。
(指導って難しいんですね。とつくづく思います。)

その後どうなったかって?
指導者から指導が続きましたよ。

指導者:「だいぶ良くなってきたな。」
まお:(スイングが速くなったからね。見た目のへなちょこ感が減ったしね。)
バッター:「は、はい。でも当たりません。」
まお:(当然だよ。縦に振ってるんだから。)
指導者:「いいか、腰を回すんだ!そしてボールを良く見て打て。」
バッター:「はい。」
指導者:「よし!じゃぁやってみろ。」(と言って指導者がゲージから出る。)

とまぁ、私の記憶ではこんな感じでした。

しばらくして指導者が私に話し掛けてきました。
「なぁ、だいぶよくなっただろう。」って言うじゃなぁ〜い。
でもあんた、私ゃぁあんたの指導を見てるんじゃなくって、
次に打とうと思って待ってるんですからぁっ!ざぁんねぇんっ!!
いるのに気付いてんなら早よ代われっ、ぎぃりぃっ!
拙者、あんたが指導をゲージの外でやらないと、いつまで経っても打てませんからぁっ。切っ腹ぅ!!


と思っているオーラーが私から出ていたのか、
次から交代で私が打っている時に指導をするようになりました。
めでたし、めでたし。

バッターは指導中にゲージの中から、ちらっとこちらを見て申し訳無さそうにしていたので、
私に気が付いていたと思うのですけど、指導者が熱の入れ過ぎです。
みなさん、公共の場ではマナーを守ってくださいね。
今頃は少しでも打てる楽しみを感じて、野球を続けていることを説に願うまおであった。
2005.02.06