あまり時期的な話をすると後で読んだときに「うわぁ古っ!」と思うのが嫌なんですが、
今は2006年5月末、プロ野球は「日本生命セ・パ交流戦」に突入し、セリーグでBクラス争いをしているヤクルトがなんと交流戦では12球団で首位争いをしているといった状況です。
先日その関連ニュースとして見つけたのが今回の話題である「OPS」に関するもの。
記事の見出しは『ヤクルト好調のカギは「OPS」』で、その内容はというと見出しの通り、ヤクルトがOPSにより打者を評価し、宮本とリグスの打順を入れ替えるといった対策による効果が現れ始めたからといったものでした。
そもそも「OPS」というのが私初お目見えする野球用語だったのですが、少し調べてみると、「On-base plus slugging」の略語だそうで、内容は出塁率と長打率を足した値(もしくは出塁率を重視した応用方法として「出塁率と長打率/3を足した値」も同類)だそうです。
話題を戻すと、「ヤクルトは宮本よりリグスの方がOPS値が高かったので、打線の上位に持ってきた。」ということになります。
OPSについてもう少し説明すると、もともとはMLBで生まれた打者評価方法の1つであり、「マネー・ボール」という著書で紹介されています。
本当にそんな本が存在するのかと思って「Amazon.net」で調べてみると、既に日本語に翻訳した解説本がありました。(なんと定価1680円が中古で399円!もしやダメダメ本なのか!?)
まぁ、本の内容は知りませんので話をOPSに戻すと、おおよそ「1」あたりを基準にして打者を評価するもので、なぜOPS値が打者の評価基準として脚光を浴びるのかというと、やはり「他の基準値よりも打者を正確に評価できるから」なんでしょうね。
たとえば打者を評価する他の指標としては、打率、得点圏打率、出塁率、長打率といったものがあります。打点や得点なんていうのもありかな。
でも、打率や長打率だけだと単にヒットの数や大きさ具合しか評価できないし、出塁率が同じだからと言って死球とホームランが打者として同じ評価というのも変な話しだし、打点や得点、得点圏打率は打順によって大きく左右されるといった具合に、それぞれの値が表すものは、打者のある一面から見た特徴を表すことができたとしても、打者としての能力全般を広く評価するにはそれぞれ何かが足りないのでしょう。
つまり、ホームランが多いけど三振も多い打者と、ヒットと四死球でこつこつ塁に出る打者とを比較する場合、やはり後者の方がアウトにならずに安定して塁に出るなら、チームへの貢献度は高いという考え方で評価をしたいわけですよね。
さらに出塁率が同じなら、長打力のある打者の方が打者として評価は高くあるべきでしょう。
そういった理由から打者の評価指標としてOPSが使われます。
ではこれが打者の完全なる評価をしてくれる「ある種万能薬のような指標」かと言うと、そうでもありません。
例えば、盗塁等の走力やカリスマ性といったムードメーカー的な指標はありませんから、ヒットを打って盗塁したのと、2塁打を打つのでは、投手に対するプレッシャーは前者の方が高くても、後者の方が評価は高くなります。
(これはマネーボールの中では、盗塁や犠打は相手にアウトを与えるナンセンスな戦略という考え方からそれが正しい評価だとされるようです。確かに草野球と違ってプロの世界では盗塁は3割程度しか成功しませんから、7割はアウトを与えるわけですよね。)
まぁこのような考え方の差は別にして、計算が楽なわりに得られる打者評価の妥当性は他の指標よりも的確であるために、最近では脚光を浴びているようです。
いずれTVのプロ野球中継でも、打率やホームラン数とかと一緒にOPSが表示される日が来るかもしれませんね。
さてここまでお勉強をすると当然気になるのが、我がチーム(特に自分)のOPS。
ただ、現在は春季大会も1回戦で負けてしまってデータが少ないんですよね。
しかも乱打戦でしたから2.0が2名、1.0〜2.0が2名、チーム全体でも0.867と脅威的な数字になっています。
なんと私も長打率1.25、出塁率0.75でOPSが2.0と1位!(長打率/3値でも1.17と2位!)
昨シーズンとは大違い。春の珍事と言われないようしなくては。
今シーズン終了時か試合数が多くなった時には再度発表してみたいと思います。
チームの皆さん!乞うご期待!!(公開するのは「Locker Room」かな?)
2006.05.25 |
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