2006年セパ交流戦でヤクルトスワローズ快進撃を分析するにあたり、
個人成績の分析方法の1つであり、チームの総合的な攻撃力の指標となる
OPS(On-base plus slugging)というものがあり、、
これを元に打順を組み立てていることによる効果について紹介しました。
(詳しくは、「今時流行の「OPS」だってさっ!」参照。)
「マネー・ボール」という著書で紹介された用語です。
この「マネー・ボール」は、昨年にブラッド・ピット主演で映画化されましたね。
時が流れ、2010年シーズン途中から小川淳司監督が指揮を取りはじめた頃から快進撃が始まり、
2011年シーズンはあと一歩で優勝という活躍でした。
日経ビジネスにもマネジメントの研究というテーマで特集が組まれ、
小川監督のマネジメント手法を絶賛していました。
その記事を読んでいて出てきた1つの気になる用語が、
今回のテーマ、「ピタゴラス勝率(Pythagorean Expectation)」です。
今時の用語ならウィキペディアに載っていてもよさそうですが、日本語ではまだ書き込みがありません。
日経ビジネスによると、ピタゴラス勝率とは、チームの総得点と総失点をもとに、
「これだけは勝てるはず」という勝率を計算したものだそうです。
最近は野球も統計学的な観点から分析する
「セイバーメトリクス(SABRmetrics, Sabermetrics)」的なものが流行りのようですね。
色々と分析用語が出てきます。
おいらの好きな野村監督のID野球や、
タッチに出てきた柏葉監督も、自分なりの指標があったのでしょう。
「新田にストライクを投げるな。」といった柏葉監督に、
「命令なら従います。」と返す上杉投手に向かって返した柏葉監督の名台詞「確率の問題だ。」
(結局はストライクを投げても勝ったわけですが。。。)
色々な人が「野球は確率のスポーツ」と言うのをよく耳にします。
プレーをしている当の選手達は、そんな小難しい確率論などは、「セオリー」という4文字で片付けて
長打警戒でアウトロー中心の組み立てにしたり、左投手に左打者を代打に出したりするわけですが、
でも、本当に確率通りいかないのが野球の楽しいところなわけで、
理論だけで優勝できないのは、野村阪神の後の星野阪神で優勝したといったことからもわかりますが、
常勝軍団になるには、他にも色々と要素があるのでしょう。
前置きが長くなりましたが、何だかんだ言っても、気になる指標ではあるので、
我がチームのピタゴラス勝率と実際の勝率とを比較してみました。
2007年だけ大きく違いますが、意外と似た傾向になっていますね。
ちなみに、ピタゴラス勝率(ピンク線)より実際の勝率(紺色線)の方が高い場合は、
接戦に強く、競り勝っているといった感じに分析できるでしょうか。
実際に2011年優勝の中日ドラゴンズはピタゴラス勝率が0.511に対して実際の勝率が0.560
2位のヤクルトスワローズはピタゴラス勝率が0.480に対して実際の勝率が0.543でした。
3位読売ジャイアンツと4位阪神タイガースはピタゴラス勝率>実際の勝率になっており、
優秀な成績を収めるなら、ピタゴラス勝率を上げる努力と、ピタゴラス勝率<実際の勝率
になるような勝負強さが必要なのでしょう。
我がチームの最近2年間はちょいと厳しい状況ですね。
なんとなくわかるような気がします。。。
ちなみに、2007年の実際の勝率がピタゴラス勝率に比べてかなり高いのは、
同点の抽選勝ちが1回に加えて、草野球らしい理由ですが、
相手のチーム都合による不戦勝が2回あったからでしょうね。
さて、来シーズンの勝率は右上がり傾向になるでしょうか?
2012.01.02 |
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